丁寧で無いと言う暖かさ

事務的にならないように気をつけよう!

 私とメールを交わした人は判るかもしれないが、私が送るメールは大抵「略啓*1─草々」のように頭語及び結語を書いている (返信が必要となって二通目以降になった場合はメール本文が短くなって頭結語が浮くので控えているが)。まぁ気心の知れた知り合い間ならこんな挨拶はバイト数の無駄遣いでしか無いのだが、最早面白くなってきたので普段から使う事にしている。
 さて、先日 (と言いながらも本日であるが) 小学校時代のお友達から同窓会のお知らせが葉書で来た。中学高校と連絡を取っていないので、参加するならば実に6年ぶりとなる。しかし葉書は時候の挨拶どころか頭結語も書かれていなかった。それを見て送ったメールも、此方は久々に連絡を取る相手であることを考慮して、「略啓─草々」の形式で送ったが普通に一行で帰って来た。ある人からは♪マークが付いたメールが普通に帰って来たりした。「僭越ながら出席させて頂く方向で....」なんて書いた私は確実に変態扱いが決定したに違いない。中高の友達どころか小学校時代の友達にまで変態扱いされる予定な私はどうすれば良いのだろうか?
 しかし、(本来は) このような手紙の構成に束縛される関係は改まった関係─改まっていなければならない関係で使われる物である。逆に考えれば、「6年の時を経ても砕けた関係である」ことを、改まっていない手紙の形式で暗に、又は無意識に示しているのでは無いか。そう考えると、6年間一切出会っていないにも関わらず、何と暖かい人々であろうか、と感動が溢れ出して来そうになった。
 だがそう感じる間もなく、何れの返信も携帯電話からであり私はメールと言う文化に何か間違った考えを抱いているのでは無いかと言う疑いが確信に辿り着く手掛りにしかならないのであった。

*1:時候の挨拶まできちんと書いたらそれこそ寧ろ失礼なので毎回略している。「前略」は格好悪い