単純な画像記憶では済まない問題

 本日夕方過ぎ、暗くなった頃バス停に私はいた。倒置して書く事に大した意味が無いのはさておき、時刻になってバスが来た。そして扉近くの席に座ると突然見知らぬ女性から「あ、(私の姓)、久し振り」と言われた。それに対して私は突然知らない女性に声を掛けられる事を全く想定していなかったの為か「( ゚д゚) は…?」と思わず返してしまった。
 見知らぬ女性は特に私の間抜けな返答に対して何も言わず後ろの方の席に座った。ここからが問題だ。なんと言う失礼な事か、どうしても思い出せない (顔を覚えるのは数学の公式を覚えるのより苦手だ)。私に対して「久し振り」と声をかけて来るような女性は少なくとも大学にはいなかった筈だ。中高の同級生にもいないはずだ。女装してかつ久し振りな人に心当たりは1人いなくも無いが、わざわざここまで女装して来て声をかけて来る理由も見当たらない。理由が無いのに来たとしても何か会話を繋いでくれる筈だ、妙なサプライズでも無ければ。数ヶ月前小学校の同窓会に出たが*1、もしかすると小学校の同級生だったのかも知れない。しかし当然顔の覚えが悪い私が数か月前、(殆ど) 初めて見るような人の顔を覚えてたりする訳が無い。声をかけた彼女は「あ、久し振りだね、○○」と言った返答を期待してた筈だ。どう思っていただろうか。

  • なんぞこいつ、私の顔を忘れやがって。昔も今も頭がパーなのねぇ
  • どうしようどうしよう、人違いしちゃったかも…

 この場合、いずれにしても非常に気まずい。バスが狭いために後ろに座ったと言っても実は二席後ろである。少なくとも呼ばれた時、姓は間違っていなかったのでまさか人違いとも思えない (同姓の方と取り違えた可能性は無くも無いが無いだろう)。フランス語の教科書を開けたり飲み終わった紙パックのジュースに空気を吸ったり吐いたりするが何も思い出せない。気まずい時間が過ぎるが後ろを振り向いて再考する勇気も無く、ただ彼女が降りる際にもう一度顔を確認出来ることを祈るだけであった。しかし、残念ながら私の方が先に降りる羽目になり、結局見る事は出来ず最後までいや〜な空気が漂っていたのであった。23分思考しても思い出せないのだから本当に頭の中に無いのだろう (暗くて顔が見にくかったと言うのもあるかもしれない)。
 今度からは反省して何も思い出せなくても「おお久し振り!」と言えるように準備しておこう。

*1:当然、浮くと言う責務を果たして来た